6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 22:20:36.26 ID:
UnsKyOPZ0 水逸とは、相手の格闘スタイルに合わせて自らのスタイルを変化させる格闘術。
その姿がまるで器によって形を変える水の様に見えることから水逸と名づけられた。
世界中の格闘技を極め、尚且つそれを瞬時に切り替え使いこなさなければならないため
常人には到底使うことの出来ない最強の格闘術だ
まさに「死角なし」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 22:23:42.77 ID:
UnsKyOPZ0
おわり 10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 22:26:46.34 ID:
UnsKyOPZ0
再開
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 22:30:42.34 ID:
UnsKyOPZ0 ここはネオトーキョー。
美嘉はいつものように半裸で路地裏を歩き、暴漢達を誘い込んでは
自慢の水逸で一網打尽にしていた。
そして地面に突っ伏してる男達の服と金品を頂戴し、夜のリトルトーキョーへと溶け込んでゆく
こんな生活がもう3年も続いていた
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 22:34:50.94 ID:
UnsKyOPZ0 リトルトーキョーとは、ネオトーキョーの中にある小さな区画。
120年前に核で荒廃した東京の面影が残っている事から、リトルトーキョー(小さな東京)と呼ばれている。
美嘉は入り組んだ路地を抜け、行き止まりへと到着した。
足元のマンホールの蓋を外すと、階段が下まで降りていた。
そこが美嘉の自宅だ。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 22:46:41.98 ID:
UnsKyOPZ0 梯子を降りるとそこにはランプにソファー、テーブル等必要最低限の生活用品が並べられている。
リトルトーキョーは街の一部としての機能を完全に失っているため、下水は流れていない。
隠れて住むにはうってつけの場所だ。
美嘉はボロボロのソファーに座り、テーブルの上にあるケーキを食べる。スイーツ(笑)
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 22:47:11.70 ID:JA+WeScU0
これはww
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 22:48:19.60 ID:ZfkNGYAS0
恋空って面白そうだな
俺映画見に行ってみるわ 18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 22:56:39.21 ID:
UnsKyOPZ0 ケーキを食べ終え、必要な栄養分を摂取した美嘉は立ち上がり、ゆっくりと呼吸をする。
次の瞬間、目にも止まらぬスピードで繰り出される突き、蹴り、目潰し。
彼女は水逸の継承者、日々の鍛錬は欠かせないのだ。
最強の格闘術故に訓練も生半可な物ではない。
一度拳を握ったらそこから六時間はノンストップで修行を続ける。
美嘉が突きを繰り出す度に下水に轟音が鳴り響く。
もちろん壁を叩いているワケではない。空気が振動しているのだ。
その修行の様を見たある格闘家はこう言った
「奴は大気をも攻撃することが出来る」と。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:01:44.89 ID:
UnsKyOPZ0 負けるわけにはいかない。
美嘉は最強の格闘術の継承者、何者にも負けるワケには行かないのだ。
そう、それは美嘉自身も例外ではない。
自分自身に負けないためにも、美嘉は修行を怠った日は一度も無い。
それ故働きもしない
働いたらそれもまた、負けなのだ。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:03:49.20 ID:KfDspaHr0
ただのNEETじゃねえかww 21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:11:33.11 ID:
UnsKyOPZ0 修行を終えた美嘉は水の並々入ったドラム缶の前に立つ。
そして両手でドラム缶を擦り始めた。
水逸の継承者、お湯を沸かすくらいはこれで十分なのだ。
擦り始めて数分後、暴漢たちから手に入れた服を脱いだ美嘉は、
摩擦熱により水からお湯へとなったドラム缶風呂へと浸かった。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:14:15.50 ID:
UnsKyOPZ0 今日一日の疲れと、拳に付いた誰のものとも分からない血を洗い流す。
そして風呂から上がった美嘉は部屋着へと着替え、ソファーに落ち着いた。
先ほどのケーキの乗っていた銀紙についたクリームを舐める。やはりスイーツ(笑)
朝日がマンホールの穴から差し込む中、美嘉はゆっくりと眠りについた…
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:20:13.16 ID:
UnsKyOPZ0 その日も道場で修業をしていた。
道場には美嘉以外誰もいない。
幼き頃に母親を事故で亡くし、父親も美嘉に水逸の極意を教えた直後、
まるで自分の使命は果たしたと言わんばかりの満足げな表情でこの世を去った。
一人で使うには広すぎる道場の中央、美嘉は拳を突き出す。
その時であった。
来客などありえないこの道場の門が、開いた。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:26:15.22 ID:
UnsKyOPZ0 男が立っている。
服装は黒いパーカーにジーンズ、顔はフードを被っていて良く見えない。B系(笑)
しかし肩幅程に開いた足、だらりと下げた両腕を見て美嘉は察知した。
こいつ、出来る・・!
美嘉が表情を変えたのが合図となり、黒いパーカーの男が一気に間合いを詰める。
男から美嘉までの距離は10メートル以上あるにも関わらず、男は一瞬で間合いを詰めてきた。
しかし美嘉も慌てない。すぐさまバックステップで間合いを取り、様子を探る。
相手の動きに合わせてスタイルを変える水逸は、まず相手をよく見る事から始まる。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:35:46.71 ID:
UnsKyOPZ0 常に相手の動きを凝視し、どんな格闘術を使っているのかを探る。
後は相手にとって相性の悪い格闘術で応戦すれば、勝利は自ずと見えてくる。
はずだった。
分からない。
拳を放たれたと思い、避けて反撃するもそこに敵はいない。
瞬時にその場を離れようと跳んだ先にはもうヤツがいる。
自分の動きが全て裏目に出てしまっている。
水逸を使う美嘉に取って、相手が何をしているのか分からないということは何よりの恐怖だ。
そこからはもう一方的だった。
ガシッボカ!美嘉は倒れた。
道場の冷たい床に倒れこんだ美嘉は、覚悟をしていた。
これから待っているのは死か、それとも死よりも屈辱的な事か・・
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:40:39.26 ID:
UnsKyOPZ0 しかし男はトドメを刺さず、美嘉に背を向けて道場の入り口に向かっていた。
それが女性である自分への慈悲なのかと思った美嘉は悔しくて涙を流した。
闘う者にとって敵に情けを掛けられることほど屈辱的な事は無いからだ。
しかも自分は世界最強と言われた水逸の継承者。
ここでトドメを刺されなければ美嘉は一子相伝の格闘術に泥を塗った愚者として
これから先、生きていかなければならないのだ。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:42:56.48 ID:
UnsKyOPZ0 「あなたは・・」
後に続く言葉は自分でも分からなかった。
美嘉はその男を止めようと、ただ声を出しただけだった。
「ヒロ」
男はただそれだけを言うと、道場を出て行った・・・
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:45:36.27 ID:
UnsKyOPZ0 ………
……
…
もう太陽は真上まで来ていた。
三年前のあの日以来、美嘉は毎日この夢にうなされる。
道場を捨て、親しかった友人や街を捨て、ここリトルトーキョーに逃げてもまだ、
あの悪夢は美嘉は逃がしてはくれなかった。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:46:54.78 ID:
UnsKyOPZ0 ここでちょっと風呂に入ってくるが、別に落ちても気にしない
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:47:46.88 ID:
UnsKyOPZ0 >>31
>あの悪夢は美嘉は
日本語でおk、な状態だが気にしないでください^^ 36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:54:00.66 ID:MniLnexS0
俺まだ恋空見てないのにネタバレすんなハゲ 37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:54:39.13 ID:AWlQR0Y2O
前売り券、もうあるの?
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/29(木) 23:54:57.43 ID:SdzVfuB30
これは良いwwwwwwwwwwwwwww
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:05:14.94 ID:
/LDc71dl0 ただいま
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:10:11.24 ID:
/LDc71dl0 美嘉は悪夢を振り払う様に立ち上がり、家を出ようとした。
その時、マンホールの蓋がカタカタと揺れているのが分かった。
ここはリトルトーキョーの行き止まり、この上を人が通ることなどありえない。
美嘉に用がある"客"なら話は別だが。
マンホールを見据え、構える美嘉。
徐々にズラされていくマンホールの蓋。敵は中に入ってくるつもりだろうか。
そして蓋が完全にどかされ、外の光と共に黒い影が美嘉の目の前に落ちてきた。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:17:57.74 ID:
/LDc71dl0 「・・なんだ」
落ちてきた男は尻餅を付くと「あおおー!」と悶絶した。
リトルトーキョーには不釣合いなチェックのシャツにベスト、下はジーパンと
まるで一昔前の大学生の様な格好をしていた。
「あぁ、美嘉さん!やっぱりここにいましたか!」
「驚かせないでよ」
「し、しーましェーン!!」
彼の名前は道下正樹、ガチホモ達にレイプされそうな所を助けたのが出会いだ。
それ以来美嘉を敬うようになり、たまにホイホイやってくるのだ。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:22:47.58 ID:
/LDc71dl0 毒にも薬にもならないこの男を、美嘉は適当にあしらおって
主食のスイーツ(笑)でも買いに行こうと梯子に手に掛けようとした。
「美嘉さん!こんなところに居て大丈夫なんですか?」
美嘉の住んでいるここは、確かに元々下水で決して綺麗だとは言えないが
別に暮らせないこともない。むしろ自分の身を弁えれば十分なくらいだ。
「別にココでの暮らしに不満は無いよ」
「いや、そういうことじゃなくって!そろそろココにも奴らが来ちゃいますよ!」
道下の言っている事が全く理解できない美嘉。 49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:28:44.26 ID:
/LDc71dl0 リトルトーキョーは元々治安のいい場所では無かったが、ここに住むのはワケ有りな人間ばかり。
お互いには干渉しないのが暗黙のルールであった。
そんなリトルトーキョーの治安を回復させようとしている奴らが現れたようだ。
しかし治安の回復とは名ばかりの暴行、略奪、汚物は消毒といったそこらの暴漢となんら変わらない事をしているらしい。
そんなチンピラまがいの治安部隊が今日は下水の"掃除"に来るらしい。
それを伝えるために道下はわざわざこんなところまでやってきたのだ。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:34:44.94 ID:
/LDc71dl0 「早く逃げましょう!」
そう言って梯子に手を掛ける道下。
しかし美嘉はその場を動こうとしない。
何か考え事をしているのか、軽く俯いている。
「美嘉さん!はやく!」
「先に上がって」
そういって美嘉は顔を上げ、長く続く下水道の奥を見据えた。
その奥から複数の光と足音が寄ってくる
「もう来てる」 52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:46:08.12 ID:
/LDc71dl0 「qw背drftgyふじこlp;@!!!!」
「wwwwっうぇwっうぇうぇwwwwっうぇww」
頭はモヒカン、トゲの付いたショルダーパッド、手には斧や釘バットを持った
男達が美嘉の目の前に立ちはだかった。
「大掃除にwwwwwwきwwまwwしwwたwwwww」
「qw背drftgyふじこlp;@!!!!」
そう言うや否や、いきなり男の一人が釘バットを振り上げて美嘉に突進してきた。
しかしそれを余裕でかわす美嘉。続いて後続の男が斧を振り回しながら突進してくるも、
美嘉はヒラリと体を捻って紙一重の所で避ける。
美嘉の足は元の位置から動いていない。
そしてようやく身構える美嘉。
今の二人の動きでもうどんな格闘術を使うかは定まったようだ。
「はぁぁぁぁ・・・」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:54:20.13 ID:
/LDc71dl0 「岩山両斬波!」
一人目の男の頭頂部に向かって手刀を繰り出す美嘉。
相手は避ける暇も無くまともに受け、頭蓋骨が首にめり込んだ。
「北斗柔破斬!!」
美嘉はそのまま手刀をしてかがんだ状態から、起き上がりざまに
後ろにいる男に蹴りを連発する。
敵はその威力に反撃することも出来ず、蹴りを受けた腹からはどす黒い血があふれ出す。メターボ(笑)
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:54:53.87 ID:rQpKfrHj0
テラ北斗神拳www
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:57:44.15 ID:PjsHHNcYO
いや・・・めちゃめちゃ北斗神拳じゃないスか 56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 00:58:01.91 ID:
/LDc71dl0 男二人を倒した美嘉は続いて後ろにいる男達に照準を合わせたが、
既に他の男達は消えてしまっていた。
「死角なし」
そういって梯子を上って地上に出ようとしたが、
ふと倒れている男の傍に書類が落ちているのを目にする。
書類を拾い上げて見てみるも、長文だったため読む気が失せてしまった。産業でよろ。
そのまま書類を手に持ち、美嘉は梯子を上りきった。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 01:07:20.08 ID:
/LDc71dl0 「あぁ、希空(ノア)計画ですね、コレ」
まるでDQNの親が付けた子供の名前の様な単語だったが、
書類を道下に手渡した美嘉は黙って聞いていた。
「希空(ノア)計画ってのは、核でボロボロになったこのトーキョーを
再建しようって計画みたいですね。最近テレビなんかでも見ますよ。
ほら、今のトーキョーって核での放射線云々のせいで空がすっぽり
透明のドームで覆われているでしょう?だから将来的にはこのドームを
外し、希望にあふれた本当の空を手に入れようってのが名前の由来みたいです。」
書類を読みながら饒舌になっている道下。
しかし美嘉はひとつ疑問に思っていた。
放射線というキーワードが出てきたが、そもそも核が落ちたのはもう一世紀以上前の話。
今も尚それが残っているとは思えないし、第一ネオトーキョーでは人々が普通に暮らしている。
そんな疑問が表情に出ていたのか、道下は聞いてもいないのにしゃべり始めた。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 01:11:04.88 ID:6ozQXCrJO
>>57
道下くん攻めてますなww
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 01:10:37.70 ID:
/LDc71dl0 「トーキョーを覆い尽くすほどのドームですよ?建てるのにはもちろん、
取り壊すにも馬鹿みたいな金が掛かるみたいで、思うように解体が進んでないんですよ。」
まさに"負の遺産"だ。
「しかも情報や物資なんかの重要なモノは核の後もここに残っちゃってますし、
そのせいで隔離したこのトーキョーに人が一番集まっちゃってるってのも皮肉ですよね」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 01:16:29.68 ID:
/LDc71dl0 息継ぎもせずに延々としゃべり続ける道下に参ってきた美嘉は、思わず口を挟んだ
「やけに詳しいんだね」
そう言うと道下は小さな紙切れを取り出した。
どうやら古い雑誌の一部のようだ。
「ほら、これ!百年以上前の、まだドームが無い頃の空ですよ!」
道下が見せてくれた紙切れには確かに空が写っていた。
だいぶ古い雑誌なのでだいぶ黄ばんでしまっているが、それでもこの空は
自分達が普段見ているドーム越しの空よりも青々としているように感じた。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 01:21:45.30 ID:
/LDc71dl0 「この空に憧れて、色々調べている内に詳しくなったんですよ」
そういって目を輝かせながら空を見上げる道下を尻目に、
美嘉は道下が落とした書類を拾い上げ、ある一点に視線を吸い寄せられていた。
希空計画の立案者、その他スタッフの名前が並んでいる中にその名前はあった。
「ヒロ」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 01:32:18.27 ID:rQpKfrHj0
ヒロキタwww
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 01:38:38.86 ID:
/LDc71dl0 ネオトーキョータワー中枢部。
トーキョーの情報管理、テレビラジオ等の電波発信等を一手に担う「トーキョーの頭」。
ドームの中央に位置するこのネオトーキョータワーの中枢部の一室。
男が二人。
「ありがとう、再建は目の前だ。このまま頼むよ」
「はい。これで街も完全に復活しますね。」
「ん・・あーそれと・・例の彼女は見つかったかな?」
「・・・いえ」
「そう。そっちの方も引き続き頼むよ。」
「はい。では。」
ガチャリ、とドアが閉まるのを確認して部屋に残った男は呟いた。
「・・再建するのは街じゃない、人さ」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 01:52:21.93 ID:
/LDc71dl0 ネオトーキョータワー前
美嘉と道下はそこにいた。
あの書類に書かれていた「ヒロ」という名前・・・
その名前を見てからタワー前に来るまでの記憶があまり定かではない。
無我夢中でここまで来てしまった。
美嘉は呼吸を整え、タワーを見上げる。
タワーの上部にある中枢部に希空計画の本部がある。
しかしネオトーキョータワーは昔の東京タワーと違い、一般人は入れない。
二人がいる数メートル先には巨大な門とガードマンが立っている。
「や、やっぱりやめましょうよ・・」
「だったら帰って良いよ」
「し、しーま(ry」 69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 02:21:51.34 ID:
/LDc71dl0 深呼吸をする美嘉。
心を落ち着かせ、数メートル先にある巨大な門を見る。
周りのガードマンなど眼中に無い。その佇まいから
水逸を使うまでも無い相手だと分かっていたからだ。
周りのガードマンを倒すまでジっとしていろ、と道下に指示して
美嘉は門に向かって走り出す。 が、一歩踏み出したところで美嘉は思わず足を止める。
巨大な門が、美嘉を招かんと言わんばかりに鈍い音を立てて開きだしたからである。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 02:31:09.46 ID:
/LDc71dl0 美嘉はすぐさま理解した。誘われている、と。
試しにゆっくりと歩き出すがガードマンは正面を見据えたまま微動だにしない。
それを確認した美嘉は後方の道下を呼ぶ。
それでも警戒を怠らない美嘉はゆっくりと足を進めていく。
二人は門を通り抜けると、ほっと一息ついた。
タワーの中は巨大なロビーが広がり、真正面の受付にも誰も居ない。
辺りを見渡しながらロビーの中央まで到着した時、"ポーン"という音が鳴った。
音の鳴る方を向き身構える美嘉。
音の原因はエレベーターが到着した音だった。
誰も居ない巨大なロビーには空調の音がかすかに聞こえるだけ。
そこへ降りてきた無人のエレベーター。これ以上無い位不気味で怪しい。
しかし門をくぐった時点で相手の誘いには乗ってしまった。
美嘉は不敵な笑みを浮かべてエレベーターに向かった。
そこで道下は気が付いた。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 02:35:41.07 ID:
/LDc71dl0 「なんで右手、ポケットに入れてるんですか?」
美嘉は右手だけをポケットに入れていた。
武器でも隠し持っているのだろうか。
「あぁ、あかべこ」
そう言ってポケットから取り出したのは手のひらサイズのあかべこだ。
「父さんの形見でね。いつも持っておけって。」
ポケットにあかべこをしまい、エレベーターに乗る美嘉。
あかべこなどというよく分からないものを形見にする父親に疑問を抱きながら
道下も慌てて後を追い、エレベーターに乗り込む。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 02:53:34.96 ID:
/LDc71dl0 ボタンも押していないのに動きだしたエレベーター、止まったのは中枢部のある階。
予想通りではあったが不気味な事に変わりは無い。
エレベーターのドアが開くと真正面にドアがあった。
間違いない。
そう確信した美嘉はエレベーターを降り、ドアの前に立つ。
続けて道下がエレベーターを降りるのを確認し、ドアを蹴破った。
そこには二人の男が居た。
一人は真正面の巨大なデスクに座り、もう一人は横に佇んでいる。
二人の目線は美嘉に集中している。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:02:34.23 ID:
/LDc71dl0 「ようこそ、田原美嘉さん」
デスクに腰掛けている男が言う。
美嘉は返事もせずじっと男を見据える
「私の名前はユウ、希空計画の責任者?みたいなことをやってるんだ」
ヒロじゃない。
美嘉の目線はすぐさま隣で立っている男へと移った。
心なしか男の表情が曇っている。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:05:53.77 ID:
/LDc71dl0 「希空計画がどんなものかは知ってる?説明しようか?」
ユウは喋り続ける。
美嘉からの応答が無い事を否定と取ったらしく
「知ってるみたいだね。だったら話は早い。」
「そのあかべこ、く れ な い か 」
今まで隣の男を見続けていた美嘉の目が、ユウへとスライドする。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:15:39.50 ID:zp1LP1efO
水逸の技が門武乱とか牙刀緒虎羅とかそんな感じの
名前を期待したのは俺だけでいいw 78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:17:00.45 ID:
/LDc71dl0 「君の持っているそのあかべこが希空計画には必要なんだよ」
続けてユウは言うが、美嘉には状況がさっぱり掴めない。
何故父親の形見が希空計画に必要なのか。
そんな疑問が一瞬の隙を生じた。
一気に間合いを詰めるもう一人の男。この間合いの詰め方は覚えがある。
三年前と同じだ。
そして三年前と同じく、反応しきれない。
美嘉が構えるよりも早く、男は美嘉のポケットからあかべこを抜き取る。
そしてそれをユウに投げ渡した。
「ご苦労様、ヒロ」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:20:57.97 ID:
/LDc71dl0
ヒロ
ようやくその名前を聞くことが出来た。
三年間、ずっと頭から離れずにいたその名前。
美嘉の拳に力が篭る。
そしてその力を目の前の"ヒロ"にぶつけようと拳を突き出す。
しかし間一髪でかわすヒロ。もちろんその表情に焦りや恐怖など無く、ただただ不穏を浮かべているだけだった。
それでも構わず拳を振り、蹴りを繰り出す美嘉。
そんな様子をユウはニヤニヤと笑いながら傍観している。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:25:56.49 ID:
/LDc71dl0
「無駄だよ」
初めて口を開くヒロ。
「その水逸では僕の火逸には勝てない」
後ろに飛び、間合いを取るヒロ。
「水逸は相手の動きに合わせて自分の動きを変える守りの格闘術。
しかし俺の"火逸"は相手の動きを自分に合わせさせる、攻めの格闘術。
相手が本来置こうとした場所に足を置き、攻撃しようとした場所を先に攻める・・
そうやって相手の動きの選択肢をどんどん潰していき、自分の望んだ動きにさせる。
いわば君の水逸とは対極をなす格闘術なんだ」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:27:44.35 ID:
/LDc71dl0 わざわざそんなことまで説明するヒロに疑問を感じた美嘉だったが、
ドアの近くで隠れていた道下が
「携帯小説と厨二病が合わさった小説なんだ!多少のトンデモや超展開は見逃しましょう!」
何を言っているのかよく分からなかった。 84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:40:32.62 ID:
/LDc71dl0 美嘉が飛び出す、そしてヒロに突進していく。
「終末瀬零武!!(終末セレブ)」
終末はちょっと背伸びのちょいセレランチ、そんな
平日とは違う自分を演出するような強力な奥義を放つ
しかしヒロも
「無蔵鎖兵亜!(無造作ヘア)」
軽めのワックスで大胆にセットアップ、
何もしていないように見えつつキメるとこはキメる奥義を放ち、相殺する。
そんな対極をなす最強の格闘術同士の戦いは、3時間にも及んだ。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:41:05.45 ID:
/LDc71dl0 >>77を見て使ってみた。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:44:48.27 ID:lzH6pwDC0
>>84
技の説明ワラタw
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:45:00.46 ID:
/LDc71dl0 二人の長きに渡る戦いに飽きてきたのか、ユウは言い放つ。
「いい加減終わらせてくれないかな?
なんなら親父さんみたいに僕がやっちゃってもいいんだよ?」
その言葉に美嘉は止まり、ヒロも止まる。
「全く、どこで計画を知ったのか知らないけど
人の大事なあかべこを盗むのは良くないよねぇ」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:47:47.30 ID:
/LDc71dl0 「そんな・・父さんを・・あんたが・・」
そこへヒロが割り込んでくる
「計画を知って盗んだ・・?何故希空計画の様を知ってそれを止めようとしたんだ!
何か俺がまだ知らないことでもあるのか!」
血相を変えたヒロに、美嘉も思わず口をつぐむ。
そんなヒロの顔をニヤケ面で見ていたユウは口を開く
「まぁいいか。どうせここにいるヤツは全員死ぬんだしね。
いいよ、ちょっと話してあげる」
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:53:12.79 ID:
/LDc71dl0 デスクの周りを歩き始めたユウは説明を始める。
「希空計画はね。再建なんだ。
街では無く、人の、ね。
ネオトーキョーは大きくなった。もしかしたら昔の東京並かも知れない。
しかし人間達が街に追いついていないんだよ。
今この街にいるのは昔の東京が残した文化、情報、物資の力を借りて生活している奴らばかり。
自ら何かを生み出すという意思なんてあったもんじゃない。
そんな奴らにこのネオトーキョーを使わせるのは勿体無いだろう?
だからここにいる奴らの代わりに、世界のVIP達にこの街を再建させるんだ。
ネオトーキョーに住むのにふさわしい人間達をね。」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:57:50.62 ID:VktoIH5R0
これはwwwwwwww
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 03:59:12.90 ID:
/LDc71dl0 「でもそれだと今住んでいる人達はどこにいけばいいのかと言うと、そこで希空計画なんだよ。
ノアは大洪水によって全てを洗い流す、そう、それがいいじゃないか。
このネオトーキョータワーを中心に無味無臭の毒ガスを散布し、洗い流させてもらうよ。
あぁ、もちろん死体なんかは処分するから安心してね。
ネオトーキョーの住人はIDでちゃんと管理されてるし、リトルトーキョーに住んでる
ID登録されていない不法滞在者も治安部隊が掃除してくれた。
まぁそこの女の子に二人やられちゃったけど、どうせ死ぬしね。
今の話を聞いて、なんでドームが今も残っているか・・分かっただろう?
毒ガスが風に流されてお隣の国に、なんて言ったら笑えないしね。
ちゃんとフタをしておかないといけないからさ。」
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:03:35.34 ID:
/LDc71dl0 「お前はどうするんだ・・」
ヒロが静かながらもフツフツと湧き上がる感情を抑えながら尋ねる。
「私ゃもちろんしばらく国外の方へ。箱舟に乗ってね。」
直後、ユウがデスクの中からスイッチを取り出す。
ここまで話すと後が怖いから、ちょっとそこでじっとしててね。
カチッ
その瞬間、ヒロと美嘉の足元がグラグラとゆれ出し、崩れ始めた。
そしてそのまま下の階まで落とされてしまった。
それを確認したユウは部屋を出て、屋上へ向かう。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:06:36.92 ID:
/LDc71dl0 そこは真っ暗だった。
落ちてきた穴も塞がってしまい、光は完全に遮断してしまった。
「いたた・・」
美嘉がそう言うと、近くから声がした
「大丈夫か?」
とっさに身を硬くする美嘉。
先ほどまで拳を交えていた敵が自分の傍にいる。
ヒロの問いかけには答えず、じっと気配を探る美嘉。
「・・・すまない」
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:10:10.16 ID:LDa7OVo2O
なんという超展開の連続ww
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:10:50.35 ID:
/LDc71dl0 突然の謝罪に困惑する美嘉。
「まさか希空計画があんなものだったなんて・・・」
その声から悔しがっているのが分かる。
掛ける言葉が見つからない美嘉はただ耳を傾けるだけであった。
「空が好きでさ。
前に雑誌で見たドームに覆われていない空を見たんだけど、物凄く綺麗だったんだ。
いつかこのトーキョーでも本当の空が見えるのかな・・なんて思ってたときにアイツに声を変えられたんだ。
俺の火逸使いとしての腕を見込んで強力して欲しいって。」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:13:46.06 ID:
/LDc71dl0 「俺もおかしいと思ったんだ。どうして希空計画なんかに俺が必要なのかって・・
でも、本当の空が見れるのかと思うとそんな疑問も些細なことでさ。一途な恋って感じで。」
そこでヒロの言葉が詰まる。
「それで・・君の持っているあかべこを取り返して来い・・って」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:19:26.87 ID:
/LDc71dl0 ユウに言われて道場へとやってきたヒロ。
そこには標的の美嘉が一人で修行に励んでいた。
任務を遂行すべく美嘉と接触したヒロは、そこで一戦を交え・・倒した。
「でもやっぱり駄目だった。最後の最後で気持ちが揺らいで
結局あかべこは取らずに帰ってきちゃったよ。
希空計画の為だからって・・こんなことが許されるのか疑問に感じてさ」
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:19:27.78 ID:mkaEmr3oO
これはいいスイーツ(笑)
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:23:31.79 ID:NGnfB1Zv0
水逸って言われるなら不快感無いなwww 102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:26:26.60 ID:
/LDc71dl0 「そうだったの・・」
今まで黙って聞いていた美嘉が口を開いた。
「それでどうするの?これから」
美嘉の問いかけに、少しの間を置いてヒロは答える。
「・・希空計画を止める。あんな計画を聞いちゃったんだ。
止められるのは俺しかいない。」
「だったら私と同じだね。
父さんが殺されたのも許せないし、なにより希空計画なんて馬鹿げたもんもね。」
美嘉が体を少しずらすと、手の指先に暖かい感触があった。
ヒロの手だ。
二人は話していく内にこんなにも近い距離に来ていたのだ。
そう、まるで二人の心の様に・・・
そして二人はその場のふいんきで、セクロスした。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:26:38.44 ID:Sm8D9Q4jO
コイゾラが映画化できるならレンクウだってきっと…!支援
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:28:41.05 ID:lzH6pwDC0
ちょwwwwwwwwwwwwwwwふいんき次長wwww
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:32:06.37 ID:
/LDc71dl0 あれから何時間経っただろう。
壁を伝ってみるも一周して同じ場所に戻ってきてしまう。
美嘉とヒロは未だ閉じ込められたままだった。
「やっぱり駄目・・出られない・・」
「諦めるな!きっと何か方法があるはず」
そうやってヒロは額に手を当て考えるポーズを取るも、何も思い浮かばない。
その時、急に横から光が差し込んできた。
ドアが開いたのだ。
そしてその光の中、姿を現した一人の男
「美嘉さん・・!大丈夫ですか」
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2007/11/30(金) 04:33:23.11 ID:lzH6pwDC0
道下キターーーーーーーーーーーーーー!
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:35:54.46 ID:
/LDc71dl0 「道下!」
美嘉が声を上げる!
「ずっと隠れていたんですけど、美嘉さん達が落とされるのを見て・・
居てもたっても居られなくなってこの部屋の鍵を探してたんです!
遅くなってほんとしーましぇーん!」
そういってドアを全開にし、二人に外に出るように促す道下。
鍵を探すために走り回っていたせいか、額には汗が滲んでいる。
「それでもよく見つけられたな、この広いタワーで鍵なんか・・」
ヒロが聞くと
「えぇ、最初は迷ったんですけど・・休憩所のトイレ近くにベンチがあって
そこに居たいい男の人に鍵を管理している部屋の場所を教えてもらったんですよ」
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:38:55.26 ID:
/LDc71dl0 「二人とも早く行って下さい!アイツは部屋を出て上に向かいました・・!」
道下が近くの階段を指差す。
「道下、あなたはここで休んでいて!」
「はい・・お元気で、美嘉さん」
「ちょwww勝手に私に死亡フラグたてんなwww」
冗談を飛ばしながら階段に向かうヒロと美嘉。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:41:22.09 ID:
/LDc71dl0 二人の姿が見えなくなった頃、ゆっくりと壁にもたれて腰を下ろす道下。
そしてゆっくりと息を吐き、首をもたれさせる。
壁には真っ赤な鮮血が付いていた。
「・・お元気で、美嘉さん」
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2007/11/30(金) 04:42:51.45 ID:lzH6pwDC0
道下あああああああああああああああああああああああああああああ!!!
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:52:01.93 ID:
/LDc71dl0 ネオトーキョータワー展望台
ここからならネオトーキョーを一望出来る。
高層ビル群、高速道路から放たれるまばらな光がトーキョーを彩る
「これももうすぐ消えるんだなぁ・・」
外を眺めるユウ。手にはあかべこを持っている。
そして隣には巨大なタンクが設置されていた。
カツカツカツ、と階段を駆け上がる音にユウは眉を八の字に曲げる
「・・しつこいなぁ、もう遅いよ?」
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:56:45.04 ID:
/LDc71dl0 美嘉とヒロが到着した。
間一髪、あかべこはまだユウの手の中にあるのを確認し、わずかに表情を緩めるヒロ。
「このタンクにあかべこをセットしちゃえばもう終わり、後はこのタンクに入っているガスが
このタワーの頂上から噴出、トーキョー一帯を覆い尽くしてジ・エンド(笑)」
「そうなればお前だって・・!」
「だからさっき言ったでしょう?箱舟に乗って失礼するって」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 04:59:56.86 ID:
/LDc71dl0 「もう、ここまで言わないと分からないかなぁ」
そう言ってあかべこを宙に放り投げながらしゃべり出す
「あのね、このトーキョーがドームで覆われてるのは知っているよね?
でも一箇所だけ覆われていない場所があるんだわ。分かる?
まぁ分からないだろうからもう答え言っちゃうよ。五時だし。
それはね、海。東京湾も一見ドームに覆われているように見えるけどさ
実は海の底まではドームがいってないんだよねぇ。」
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:00:57.51 ID:NGnfB1Zv0
ここからがクライマックスDAZEEEEEE!!!!!!
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:02:52.21 ID:
/LDc71dl0 「後は簡単、そこへ水に潜っちゃう船で行ってさーっと脱出すればクリア。
あぁ、でも海の途中まではドーム作っちゃったからさ、そのせいで水流が乱れてるから
スキューバダイビングとかでくぐれるとは思わないほうが良いよ」
言い終わると踵を返し、タンクの目の前で仁王立ちするユウ。
「それじゃ、そろそろ始めちゃおうかな。・・いや、終わらせちゃおうかな」 120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:08:41.81 ID:
/LDc71dl0 その時、ヒロがユウとの間合いを一気に詰めた。
ユウに思い切り体当たりするヒロ、思わずユウもよろける
「ぐぁ!」
タンクへのあかべこ投入を防いだかに見えた。
しかしユウも諦めず、よろけながらもあかべこをタンクに向かって放り投げた
「まずい!」
ヒロが叫ぶも、ユウと共によろけてしまって体勢が立て直せない。
そうしている間にもタンクに向かっていくあかべこ。
世界がスローモーションになった。
その時 122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:17:29.84 ID:
/LDc71dl0 美嘉が間合いを詰めていた。
その技はヒロが使ったものと同じだが、スピードはヒロをも凌駕していた。
そしてタンクに入る直前であかべこを掴む美嘉
「なん・・だと・・ッ!?」
ユウはそう呻くが、ヒロの卍解を食らって気を失う。
「なんで美嘉が火逸の技を・・」
ヒロは独り言の様にこぼすが、当の美嘉にその言葉は届いていないようだった。
父親に手放すなと言われたあかべこを、美嘉は最後の最後にその手で掴み取った。
水逸を使う者にはある能力が宿る。
世界中の格闘技を極めていく内に、練習をせずともその技を見、感じるだけで
その格闘技を習得することが出来るようになるのである。
火逸の技を使えたのもそのためである。
この能力を「春雄裂酉御写零腕比(春を先取りお洒落ワンピ)」と呼ぶ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:18:30.07 ID:
/LDc71dl0 「これで・・終わったね」
美嘉がそう呟く。
ユウは気を失い、あかべこは手元にある。
長かった戦いが今、終わったのだ。
「いや・・まだだ」
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2007/11/30(金) 05:19:40.87 ID:wFCBY7VAO
これは先が読めないwwww
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:22:54.47 ID:hMhxY3y9O
恋空-RENKU-ってこんな話だったのか
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:23:22.11 ID:
/LDc71dl0 言い終わるや否や、美嘉に対峙するヒロ。
「・・・ヒロ・・?」
呼びかけには答えず、構えるヒロ
「水逸と火逸は対極をなす格闘術・・
そしてどちらも"世界最強の格闘術"でなければならない。
しかし世界最強の称号は二つも無いんだ。
どちらかが死に、どちらかが生きなければならないんだ」
美嘉の頬に涙が流れる、そして・・構える
「あなたと一緒になった時間、楽しかった・・」
「美嘉・・・笑おうよ」
―そしてお互いの拳が交わる
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:26:16.51 ID:yBWqPpwN0
今日ブックオフで恋空-RENKU- 買ってくる
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:28:25.11 ID:
/LDc71dl0
半年後。
二つの墓の前で手を合わせる。
墓に刻まれている名前はよく見えない。
ドームに遮られていない空を見上げながら、呟いた
「この子の名前・・どうしようかなぁ」
自分のお腹をさすりながら、また空を見上げる。
「空に恋しちゃった人が二人もいるんだし・・やっぱり名前は・・」
恋空(レンクウ)激闘編 -fin-
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:29:20.63 ID:
/LDc71dl0 スイーツと厨二病のコラボ小説は書いてて面白かったです^q^
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:30:08.91 ID:dwWVhcF80
命名:恋空(レア)ちゃん
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2007/11/30(金) 05:31:31.69 ID:2cokwOo7O
>>130
ありえそうなのが困る
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:31:58.21 ID:
/LDc71dl0 こんなに長い時間書いて130レスとかワロタ 133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:32:04.97 ID:LDa7OVo2O
>>1乙wwwwww
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:33:18.15 ID:9JsoWYyNO
くそぅ読ませるじゃねぇか恋空!
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:32:28.58 ID:wmniG1AgO
つーかヒロ殺したんかwwwwwwww 136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:33:27.98 ID:yBWqPpwN0
>>1乙でした
道下の死因が気になる 138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:35:19.30 ID:
/LDc71dl0 >>134
え?恋空ってヒロが死ぬ物語じゃなかったっけ?
>>136
死因は鍵のある部屋にいった際に警備員に撃たれちゃったぜ。
でも頑張って美嘉の元に来てその傷を隠しちゃう道下は良い子 137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2007/11/30(金) 05:34:53.95 ID:LDa7OVo2O
>>132時間帯がな、だが俺は面白かったw 140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:37:09.77 ID:
/LDc71dl0 >>137
最初はスレタイと本文だけ思いついてそれで終わらせようとしたんだが
なんとなく書いていくうちに止まらなくなったwww
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:37:41.40 ID:Hbm6Q7sh0
忍空だと思ったら・・・
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2007/11/30(金) 05:40:01.16 ID:5dQcvN240
なんとなく夢枕獏っぽい
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2007/11/30(金) 05:40:06.77 ID:yzK9G1S30
尾も白かたよ
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:40:32.21 ID:
/LDc71dl0 こんな時間にありがとうおまえら 147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:43:54.81 ID:cQoFCw5L0
この時間に立てたのが悔やまれる
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 05:44:56.20 ID:
/LDc71dl0 でも俺も恋空見たことないんだよな。
名前確認するためにさっきはじめて公式見たぜ
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 06:02:00.78 ID:
/LDc71dl0 このまま仕事か・・
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 06:09:39.48 ID:ra3tqnYlO
今読み終わった。
明日もっかいやれば大盛況だとおもうぜwww
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 06:13:57.53 ID:
/LDc71dl0 それじゃ夜にでもまた建ててみるかw ※建ちませんでした165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 08:28:00.62 ID:
oJ3yx0T+O >>1だけど、気になるからちょっと覗いてみたらまだ残ってるのかwwwwwww
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 08:29:47.17 ID:NGnfB1Zv0
>>165
是非私『水逸継承者』を名乗らせてくだしぁ!! 167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 08:31:42.19 ID:CPZ/c6D8O
>>165
新作今から楽しみにしてる 170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 08:42:29.03 ID:
oJ3yx0T+O >>166
好き勝手継承してくれ。
秋はシックなアダルトグロス(笑)
>>167
今、水逸なバトル野球小説を思い付いたが、野球のルールよくわからんから悩んでる。
…27の分身がな?
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/11/30(金) 08:17:52.19 ID:hzPxeaVeO
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